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メール
こんにちは。メール配信システム「WEBCAS e-mail」
やメルマガ支援サービスを提供するWOW WORLDのマーケティングチームです。
今回のテーマは「Eメールマーケティングについて」です。
※本コラムは、西田徹氏の著書「これから始めるEメールマーケティング」の一部抜粋です。ご本人の許可を得て掲載しています。
きわめてシンプルなコミュニケーションツール、「Eメール」は、活用方法によって最強のマーケティングパワーを発揮します。読者の中には実際にメルマガを書いている方や、これから書こうという方もおられるでしょう。この章ではメルマガの書き方に焦点を当ててみましょう。
私は前職時代に「良いメルマガの要素って何だろう?」と疑問をもち、因子分析という手法でそれを調べたことがあります。その結果わかったのは以下の4つの要素があるということです。
第1要素 【コンテンツの質】
別の視点からメルマガライティングを考えてみましょう。メルマガは、もちろん全体が大事なのですが、特に重要な部分があります。
まずは件名。これの出来によってはいつも開封してもらえたり、逆に開封されることなくゴミ箱に直行という羽目にもなりかねません。皆さんだったら以下の2つの件名のメール。どっちを開封しますか?
件名A
[Weekly Big-news 2003/05/01 by田中タイヤ] 空気圧特集
件名B
☆タイヤ空気圧で燃費がこんなに違うの!?☆ T-news 018
次に重要なのが最初の15~20行。ここがつまらないと「開封したけど、すぐ捨てられる」ことになります。原稿を書くのは大変なこと。でも特に最初の部分には最大の努力を払いましょう。
「メルマガを5号分出したら、もうネタが尽きた・・・」そんな経験をしたメルマガライターも多いはずです。
コツの一つは、「商品のことではなく、自分のことを書く」です。成果を上げているメールマガジンは、売りたい商品のことだけでなく、ご自身のこと、家族のこと、地元のことなどに多く触れられており、むしろそっちを読んでいるというファンも多い。皆さんも自分のこと、書いてみませんか?
あともう一つコツをお教えしましょう。それは「双方向性」。メルマガ読者の方にアンケートをとり、その結果を次号以降のメルマガで自分の感想などを交えて紹介するのです。
例えば宝石販売店からのメルマガを想定。以下のようなWEBアンケートに誘導します。
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ここ数年、メールマーケティングが急速に普及し、個性溢れる、読んで楽しい、そして効果のあるメルマガが続々と生まれています。特に私が注目しているのは、楽天市場に出店している店長さんたちが書くメルマガです。彼らの多くはオーナーでもあるので、「上司の目」を気にして萎縮することなく、伸び伸びと新しい試みをメールマーケティングの世界に導入する先駆者です。
また、楽天には「WEB:メール=2:8の法則」というキーワードがあります。店舗運営の労力の80%はメールに費やすべきであるという教えを忠実に守る店長たちはメルマガ達人集団とも言えるでしょう。
そんなツワモノたちが「俺のメルマガは面白いぞ!」「私のメルマガの工夫を見て♪」と競い合う企画が楽天市場主催で今までに2回開催されています。その第二回で見事最優秀賞を受賞した「カニ市場」(http://www.rakuten.co.jp/snowland/)の加藤店長にインタビューをしてきました!「加藤語録」、必ずや皆さんの参考になるはずですよ。
約8年前にドライブインなどでカニを買ってくれたお客さんに郵便DMを送ることを体験した加藤さんは、通販の本質は、「メールを送ること」であること実感。そして、その信念は1998年にネット通販を始めた時にも活かされました。
加藤店長
楽天に出店する前から、メルマガを出していたんです。プレゼント企画をやると1回に2000件ぐらいのアドレスが集まる。それをなんとパソコンのメールソフトから送るわけです。そして、メールを送ると、確かに売れる。楽天出店直前には8000件になりましたから、1000件を8回に分けて送るわけです。文字どおりの一日仕事でしたよ!
今や有名店舗になったカニ市場。でもそれは、小規模店舗だった時から、加藤店長にはっきりとイメージされた近未来像の具現化なのです。大きな目標を持つこと、そしてその達成を本気で目指すことの重要さを、加藤さんの成功体験は教えてくれます。
加藤店長
ネット通販を始めた時から、10万件のアドレスが必要だと強く感じていました。非常に大きな目標だけど、やらないと店舗として成り立たない。そこで、1999年の11月に楽天に店を出してからもプレゼント企画を積極実施し、約1年後の2000年12月には4万件、そして2001年9月には念願の10万件を達成しました。ちなみに今は20万件あります。次は50万件が目標ですよ!
駆け出しのころから、「ベスト店長賞」と「メルマガコンテスト優勝」は狙っていましたね。(注:いずれも実際に見事受賞)
インターネットやメルマガの素晴らしい所は双方向のコミュニケーションにある。その理論を加藤さんは極めて明快に実践しています。
加藤店長
当店の売上は12月だけで年間の40%を占めるんです。11月も入れると年間の50%。ということは、それ以外の月に出すメルマガは、売るためではないんです。カニ市場という店を知ってもらう。加藤という人間を知ってもらう。そして北海道の素晴らしさを知ってもらう。言い換えると、メルマガってお客様との信頼関係を構築する道具なんですよ。
毎号のメルマガの中に「お客さまの声」を紹介することにより、読者がメルマガの主人公になることが出来たり、メルマガクイズを企画して、次回のメルマガが届くのを心待ちにしたりと、常に双方向のコミュニケーションを作る事が大切だと思います。
実際、私自身もお客さまとのコミュニケーションをすごく楽しんでいますし、そのことがお客さまにきっと伝わっていると信じています。
メルマガ達人の加藤店長だって1人の人間。いつも完璧というわけではありません。我々も、「自分達にも出来るかも!」という勇気が湧くエピソードを伺いました。
加藤店長
これだけ沢山メルマガを出していると、正直言ってあまり納得のゆかない内容もありますよ。でも気を取り直して、次号を、次々号をと書いているうちに、「これは面白いぞ!」という企画を思いつくんです。自分自身が楽しんで、わくわくしながら書いて出したメルマガは、必ずと言って良いほど実際の効果も高いですね。
努力の賜物で大きな成功を収めているカニ市場のメルマガ。それでも「もっともっと努力しておけば良かった・・・」という思いがあるそうです。チャンスと思えば、100%どころか200%、300%やれという教訓でしょうか。
加藤店長
保有しているメールアドレスが売上に直結するというお話は既にしましたね。それを伸ばすにはプレゼントが効く。特に2001年の1年間はアドレス数がグングンと(10万件)伸びた時期でした。ところが最近ではプレゼントの効果は当時の2割程度に落ちてきています。今思うとあの時期に、もっともっとプレゼント企画を行い、もっと読者を増やしておけば良かったというのが本音ですね。
努力の賜物で大きな成功を収めているカニ市場のメルマガ。それでも「もっともっと努力しておけば良かった・・・」という思いがあるそうです。チャンスと思えば、100%どころか200%、300%やれという教訓でしょうか。
加藤店長
今、20万人のメルマガ読者がいますが、購入者はそのうちの1割だけです。では、残りの18万人に送るメールは無駄なのか?・・・私はそうは思いません。
私のメルマガ内容には、自分の子供達の成長日記や北海道の自然に関することが多いです。自分自身の経験やエピソードとして、子育ての楽しさや、大変さを世の中のお父さん、お母さんに伝えたいと思います。また、自分自身が生まれ育った北海道の自然の素晴らしさ、そしてそれを守ってゆくことの大切さを少しでも感じてもらえればそれで良いんです。そうやって読者の方とつながることを地道に続けてゆけば、いつの日か、当店のお客さまになっていただけることもあると思います。
いかがでしたか?加藤店長の「語録」に興味を持った方は、百聞は一見に如かず。彼のメルマガに早速登録してみてはいかがでしょうか。
カニ市場『北国からの贈り物』メールマガジン「北国便り」 http://www.rakuten.co.jp/snowland/
メールマーケティングを成功させるための重要な要素は3つあります。
メール活用を始めたばかりの方は、1のコミュニケーションだけにしか目がいかないことが多いです。例えば、一生懸命心をこめたメルマガを作って送っているのにあまり成果が上がらないというネットショップの店長さん。何を売っているのか聞いてみると、申し訳ないが、「そりゃあ、売れないよな・・・」という2の商品自体の問題であることがあります。
そして、今回の本題である3の読者(見込み客)。どんなに素晴らしい商品・サービスを、いかなる名文のメルマガで訴求しようとも、「読者が10人」、「ワインを売ろうとしているのに、日本酒好きばかり」では話になりません。購入見込み度の高い読者を大量に集めることがメールマーケティング成功の秘訣の33%を構成するのです。
では、具体的にどのようにしてメールアドレスを収集する(読者を獲得する)のかを具体的にみてゆきましょう。
メールアドレスは、もちろんインターネットの世界の一要素です。であれば、ネットの世界でそれを集めようというのは自然な発想でしょう。 具体的には、ネット広告を打つことになります。「メルマガ読者募集」という直球でも良いですし、「○○が当たるキャンペーン!」を行い、応募時にメールアドレスを入力してもらい、「当社からのメルマガ配信を希望する」旨のパーミションを取るのも良いでしょう。
ただし、ここで留意しなければいけないのは、読者獲得の単価です。漫然とネット広告を打つと、「100万円使ったのに、4人しか獲得出来なかった。獲得単価は、なんと25万円! トホホ・・・」などという悲惨な事例が本当にあるのです。
ではどうすれば良いか?答えは、成果報酬型広告の活用です。
具体的には、アクションクリックなどのサービスがあります。詳しい解説をすると、それだけでこの本の1章分になってしまうので、要点だけ述べます。成果報酬型広告では、獲得単価を広告主が決められるのです。
仮に@200円と決めてネット広告を打ちます。4人しか集まらなければ、広告費は800円。それで終わりです。2000人集まれば、40万円の広告費を支払うことになります。
どうですか?活用しない手はないでしょ。
またクリック保証型サービスの「Yahoo!プロモーション広告」と「Googleアドワーズ広告」も参考にしてみてください。
リアルの店舗を持っている企業にとっては、そこが有効なメールアドレス収集場所になり得ます。こちらも「メルマガ読者登録」という直球で用紙に記入してもらっても良いですし、会員登録時の郵便番号、住所、電話番号などに加えて、メールアドレスを記入してもらうのも良いでしょう。
このやり方をとる場合、その成否を決めるのは現場への徹底です。僕自身が体験した悲しい例をお話しましょう。数年前、とあるアパレル全国チェーンのメールマーケティングを請け負っていた時期がありました。その時、本部の人いわく、「会員登録用紙にメールアドレス欄を設けましたから、これからジャンジャン集まりますよ!」とのこと。早速、自分で新宿店に行き、買い物をしてみました。そして、レジにて会員登録用紙を記入していると、
「あ、そこのメールアドレス欄、書かなくていいですよ♪」
と、店員さんが言ったのです。愕然としました。メールアドレスを集めることの重要性が現場に全く徹底されていない。店員さんにとってはメールアドレス欄は、レジでのオペレーション時間を余分にとる、『邪魔者』としか思われてなかったのです。この事例、反面教師にして下さいね。
自社だけでメールアドレスを収集するのは、どこかで限界がきます。そこで必要となるのは、直接は競合しないが、関連する企業とアライアンスを組むことです。わかり易い例を挙げると、
が、相互に読者を紹介するのです。ワインのメルマガに「B社のチーズのメルマガ読んでみたら?登録はここ!」、チーズのメルマガに「A社のワインのメルマガ読んでみたら?登録はここ!」とやるわけです。
共同でのプレゼント企画をからめると、より効率が良く、読者が動くでしょう。ただし、両社が読者の了解なしにアドレスリストを交換するのは、SPAMと呼ばれる迷惑メールになりますので、ご法度ですよ。
最後にご紹介する考え方は、一時はやったバイラル・マーケティングです。バイラルとは、風邪のウィルス(Virus)と語源を同じくする言葉。つまり、風邪やインフルエンザが人から人へと次々と感染するように、メルマガ読者が友人に「このメルマガ面白いから、君も登録したら?」と、読者が読者を呼ぶというもの。
手持ちの読者100人が種芋となって、1000人、10000人になるかもしれないという夢のある概念です。
が、僕の知る限り、この考え方の大きな成功事例は存在しません。もちろん1%程度の紹介は起きるのですが、それでは、バイラルの仕掛けを構築したコストに全く見合わないのです。
ただし、諦めるのは早すぎるような気もします。実際、個人が発信元となったジョークネタなどが友人から友人へ転送され、日本中を駆け巡る例も実在します。要は、「これは面白い!友人にぜひ見せたい!」と思うようなキラーコンテンツを用意し、それが企業のマーケティング目的とマッチするような仕組みをつくることです。
日本で初めてのバイラル・マーケティングの成功事例を作るのは、このハンドブックを読んでいる皆さんかもしれませんよ!
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メールマーケティングというと「配信ボタンを押すと数万人、数十万人にメルマガが届く」といった一斉同報型だけをイメージする方が多いのですが、実はまったく別のメールマーケティングに今注目が集まっています。それは、お問い合わせなどに対して1対1で返答を行うメール対応。ライオンズマンションの大京は、この手法を通じてのマンション販売で既に年間数百億円もの売り上げをあげています。
この章では、メール対応アウトソーシング(著名企業のEメール対応を代行)のリーディング企業、株式会社イーライフの曽利取締役にお話を伺いました。
イーライフではメール対応のランクを3種類に分けているそうです。
【Cランク】 | 主な作業 | メルマガの配信停止依頼を受け、 読者には「承りました」のお返事を返す。 |
---|---|---|
平均所要時間 | 約5分/メール | |
【Bランク】 | 主な作業 | info@xxx.co.jp宛の問い合わせや連絡事項対応。高度な質問は関連部署に「エスカレーション」。住所変更などの顧客データベースまわりの対応も行う。 |
平均所要時間 | 約20分/メール | |
【Aランク】 | 主な作業 | 電話でのお客様相談室と同等の内容。商品情報、在庫情報、プレゼント応募結果の問い合わせ、利用方法サポート、クレームなど様々な内容に対応。 |
平均所要時間 | 約30分/メール |
一口にメール対応といっても、必要となる工数や対応人員に要求される知識・スキルが大きく異なるということですね。
「メール対応を本格的に始めるには周到な準備が必要だ」と曽利取締役は力説します。
細々とでもEメール対応を既に行っている企業の場合は、1~2ヶ月分の「来たメール」「返信したメール」を分析し、対応マニュアルを作成します。メール対応が初めての場合は、電話での顧客対応履歴を分析し、代用します。
軽視され易く、実は極めて重要なポイントもいくつかあります。
例えば、返事を出す際の差出人のメールアドレスとその日本語表記。また、フッターも対応状況に応じて複数用意すべきだそうです。「クレームに返答する際に、楽しさ溢れるフッターではお話になりませんからね。」とは曽利取締役の弁。他にもいろいろとコツがあるそうですが、これ以上は企業秘密とのことでした。
「メール対応は手間がかかるだけだからやりたくない」。そういう『鎖国企業』は短期的には良くても、中期的には衰退するでしょう。実際に「顧客はEメール対応の良い企業に好印象を持つ」という実証結果も出ています。
裏を返すと、対応が悪い企業には悪印象ということですよね。
また、インターネットでお客様とのルートを作る以上、お問い合わせにメールで対応するのは企業の義務とも言えます。そういう西田の思いを曽利取締役にぶつけてみたところ、興味深いコメントを頂きました。
「メール対応をコストと捉えてしまってはつまらないですよね。当社ではインタラクションメールという概念を導入し、メール対応部署をコストセンターから、プロフィットセンターへと意味づけを変える提案を顧客企業にしています。」
具体的には、商品Aへのご質問に対して返答し、その後半に「ところで、どうして当社の商品Aにご興味を持っていただけたのでしょうか?」といった、こちらからの質問を入れるのだそうです。
ある企業でこのインタラクションメールを実施したところ、なんと50%~60%の返信が返って来たそうです。街角のアンケートとは異なり、もともと興味を持って問い合わせてくれている人なので、その量と質は格段に高い。ここで得られた生情報をもとに新商品開発に生かしつつあるそうです。
イーライフでは、メール対応を代行している顧客企業数が2年の間に10倍以上に増えたそうです。また、携帯でのメールなど、新しい動きが次々と出てきている。また、近未来にはコールセンターとの融合も予測し、手を打ち始めているとのこと。「Eメール対応」という新しい分野、これから目が離せなくなりそうですね。
「マーケティング目的でEメールを配信する。これがEメールマーケティングだ。」確かに間違いではありません。そういう意味では、今は相当多くの企業がメールマーケティングに取組んでいます。でも、その中には、大きな成果が上がる企業と、コストばかりかかって失敗に終わっている企業が存在します。
これらの2群の企業を観察していると、今からお話しする3つの原則を守っている企業と、そうでない企業の違いであるケースが非常に多いことに気付きます。言い方を変えると、真の意味でのメールマーケティングを実現するには、以下の3つを遵守する必要があるのです。
原則の1つ目は「継続配信」です。「メールを送ってみたが成果が出なかった」と嘆いているネットショップの店長さんはこの原則を知らない典型的な例でしょう。私はこの「1通送って終わり」症候群は、郵便DMの連想が大きな原因になっていると思います。
1通あたりのコストが100円~200円かかる郵便DM。 それと同様に、メールDMも1通で完結しなければならないと根拠なく思い込んでいるとしたら残念なことですね。
メールで成功している企業は、全てと言って良いくらいに継続的にメールを配信しています。メールマガジンのように定期的に続くものもあれば、資料請求した人を3通程度でフォローする回数限定メールもあります。いずれにせよ、何通かのEメールが届く間に徐々に購買意欲が高まり、どこかのタイミングで「買おう!」「申し込もう!」「お店に行こう!」となるわけです。
原則の2つ目は「双方向」です。皆さんが普段仕事やプライベートに使っているメールソフト(Outlook Express等)には当然のことながら、返信ボタンがついています。これがメールマガジンなどの一斉配信を行った際にも大きな意味を持ってくるのです。つまり、発行元が意図しなくても、読者からの返信が起き易い。
問合せ、励ましといったポジティブなものから、ご意見・クレームといったネガティブなものまで、様々な返信が来ます。
これはTVコマーシャル、新聞広告、郵送DM、ファックスなど、従来のメディアにはない、Eメールならではの特徴といえます。
この性質を前向きに捉え、「もっと沢山の返信をもらおう」「クレームを新商品開発につなげよう」「問合せを確実に受注にまでもって行こう」といった仕掛けをすることをお勧めします。
さらに、双方向というキーワードを広義に捉えると、「メールで誘導したWEBで、アンケートに回答してもらう」ことも重要です。
ちなみに、「送るメールの中身を思いつかない」と嘆いている方には、この双方向というキーワードが救いになるはずです。つまり、こぼれ話や、体験談、さらには商品の利用報告などを読者から募集し、それを次号以降のメールコンテンツにするわけです。文章のネタが出来るというだけでなく、読者と発行元との一体感が醸成されるのも見逃せない効果です。
原則の3つ目は「One To One」です。例えて言うと、なじみの料理屋で「いつものやつを!」とオーダーする心地よさをEメールの読者に味わってもらうというもの。具体的には、顧客データベースにある、年齢・性別・居住地域・商品への嗜好・購買履歴などに基いてメール文章を自動生成するわけです。
ただし、注意点があります。それは、配信元の自己満足にならないこと。「当社は8×9×6×7=3024通りのOne To Oneマガジンを配信しているんだ!」という事例を見たことがあるのですが、出来上がったメール文章からは、いったい何処がOne To Oneになっているのかわからない。あるいは逆に自分の名前などの個人情報が何度も出てきて、読んでいてドキっとする。
そんな自己満足One To Oneメールにならないよう、「どの属性(例えば性別)でOne To Oneにするのか?」「具体的にどんな文章(例えば、男性用の文章と女性用の文章)を差替えるのか?」等の綿密な設計が必要です。また、こういったメールの配信にはある程度のコストがかかる専用の仕組みも必須です。
まだまだ成功事例の多くないOne To Oneですが、例えば「100万人に」「一人一人ぴったりの内容を」という、TVなどのマス媒体になし得なかったことが可能なのですから、チャレンジしない手はありませんよね。
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比較的低コストで実現可能であり、かつ効果の高いメールの活用は、既にマーケターの間では常識になりつつあります。しかし、その裏に潜むリスクについては、未だ十分に理解されているとは言えません。
まず始めに、「油断をしていると、こんな事故が発生する」という例を挙げます。読者の皆さんも幾つかは心当たりがあるかもしれませんね。
【内容記載ミス】
金額の表記間違い、商品の写真取り違え(HTMLメールの場合)、URLの表記間違い、機種依存文字の使用(文字化けの原因)、意図しない差別表現など
【リスト取り違え】
二種類のメルマガを同時発行している場合の「内容」と「リスト」の取り違え、オプトアウト(配信停止)者への メール送付、テキストメール希望者へのHTMLメール送付など
【One To Oneオペレーションミス】
属性や購買履歴に応じてのOne To Oneメール実施時の差込・差替間違い
【システム事故】
ウィルスがメールマガジンに混入(粗悪な配信エンジン使用の場合)、多重配信(同じメールが何通も届く)、 クリックカウントログ消失、配信中のメールサーバー・ダウンなど
【個人情報の流出】
読者のアドレス全員をTOアドレスで指定し、読者相互にアドレスが露出(個人用メールソフト利用時)など
こう並べてみると、メールマーケティングには多くの落とし穴が潜んでいるのがわかります。
だからといって怯える必要はありません。正しい手順を踏んでオペレーションを行えば、事故の確率を極小に押さえることが出来ます。
自動車の運転に例えると、「酔っ払い運転、赤信号無視などをしている人はいずれ悲惨な事故に遭う」、しかし「きちんと整備された自動車で交通ルールを守って運転している人は安全」ということです。
事故を起こす企業に共通する2つの特徴があります。
まず1つ目は「メール担当者が一人しかいない」ということ。
人間は誰でもミスを起こします。また、人間には「思い込み」があるので、目の前にあるミスに気づかないことが多いのです。これを防ぐにはメール担当者を複数配置し、ダブルチェックを行うしかありません。
例えば、「メールの原稿を書く人」と「その内容をチェックし、OKの許可を出す人」。また、「メール配信システムの設定をする人」と「それをチェックし、配信ボタンを押す人」というふうに役割分担を行うのです。
もちろん、メールの専属担当者を2名置く余裕のない企業もあるでしょう。そんな場合は、専属担当者を1名置くよりも、兼任担当者を2名置くべきなのです。また、ダブルチェックを行う上では、チェックシートが有効です。
2つ目は「トップ(マネジャー)が実は地道なオペレーションを馬鹿にしている」というケース。
確かに間違わないためのオペレーションは目立たない作業です。目新しい企画を創り上げる、大口の契約を取ってくる。そういった派手な仕事ではないのです。もしトップ(マネジャー)が地道なオペレーションを一段低いものと見る気持ちがあれば、それは確実に部下に伝わってしまいます。
そして、現場のオペレーターたちのモチベーション低下につながり、それが配信事故へと発展するのです。
例えば、万が一のトラブルの際、徹夜での対応作業にトップ(マネジャー)自ら参加するなどの目に見える形で、「君たちの仕事は尊いんだ」、「ミスを防ぐための地味な努力は、実は英雄的行為なんだ」というメッセージを示す。そういったことが必要です。
いろいろ述べてきましたが、それでも初期の頃はいくつか失敗が起きるでしょう。でも、それはある程度は仕方がない。成長のための試練を恐れていては始まらない。
ただし、真に恐れて欲しいことがあります。それは「失敗から学ばないこと」。例えばこんな企業があります。
こういった企業はミスを繰り返し、読者からは呆れられ、最後には大きな経済的損失をこうむることになるでしょう。それは自業自得というものです。
いろいろと述べてきましたが、「体制を整備し、ダブルチェックする」、「トップ自ら地味なオペレーションの重要さを示す」、「失敗から学ぶ」という3つを心がければ、何も怖いことはありません。
読者に喜ばれ、企業側にも大きな経済効果のあるEメールマーケティングの世界を存分に楽しみましょう!
メールの強みは、「こちらから相手の懐に飛び込めるお届け型であること」、「迅速に作成して配信できること」、「比較的ローコストであること」など沢山あります。が、「効果測定のしやすさ」も忘れてはなりません。Eメールでは、開封ログやレスポンスチェック(クリックカウント)、コンバージョン(購入)といった豊富な顧客情報が取得可能です。
第7章では、これらをメールマーケティング活動にどう生かすのかというお話をしたいと思います。
同じ「メール」でも、郵便DMは効果測定が困難です。仮想の例で説明しましょう。例えばワインの通販会社が郵便DM1000通を送付し、そのうち3名が購入してくれたとします。
「購入率0.3%」という数字が得られ、これ自体は参考になるデータです。問題は購入に至らなかった997名。この人たちは、大きく下記の3つに分類されるはずです。
A、B、Cがどんな割合で存在するのかは非常に重要な情報です。仮にA:B:C=900:90:7だとしたら、これはDMを送付するリスト自体を見直す必要がありそうです。また仮に、A:B:C=7:90:900だとしたら、早急にもう一1通DMを打って再プッシュする意義が高そうです。
でもご存じのとおり、郵便DMではA、B、Cの分類を行うための測定は不可能なのです。
では、本題であるメールではどうでしょうか。ここでは豊富なデータが得られ、次に行うべき打ち手が明確に分析可能です(ただし、高機能のメール配信ASPや自社導入型メール配信システムを利用した場合)。
まずは送信したメールの開封の有無ですが、HTMLメールであれば、これが測定可能です。例えば、送っても送ってもゴミ箱直行なのか、少なくとも開封はしてくれているのかが開封ログによって分かります。
次にメール文章からWEBへの誘導ですが、これはレスポンスチェック(クリックカウント)という仕組みで把握可能です。メールの文章で興味を持ち、「どんな商品なのか写真を見たい」「買いたい」と思った人がクリックした人であり、そこまでは興味を喚起できなかった人がクリックしなかった人とも言えます。
クリックしてWEBの閲覧を行った人は、購入に至った人と、至らなかった人に二分され、これは購買履歴から容易に判別可能です。
いかがでしょうか。メールマーケティングでは、先に述べた郵便DMでの悩みが100%解決されるのです。具体的には下記の分類となります。
何度メールを送ってもAの「開封せずに捨てた人」に該当する人は、配信リストからはずしてもいいかもしれません。また、リスト全体にAの占める割合が高いようだと、見込み客収集のステップを再度行い、リストを刷新する必要があるかもしれません。もう一つ、開封されない原因として考えられるのは、件名です。簡潔で魅力的な件名にすることで、Aの割合を減らすことが可能かもしれません。
何度メールを送ってもBの「開封したがクリックしなかった人」に該当する人が多いようだと、メール文章の作成テクニックに問題があるかもしれません。少なくとも件名に興味を持って開封はしてくれているのですから、その人たちを心地よくWEBへいざなう導線をメール文章上で再度設計してみましょう。
何度メールを送ってもCの「クリックしてWEBを閲覧したが購入しなかった人」に該当する人が多い場合。まずは、WEBコンテンツの問題が考えられます。せっかくメールを読んで買う気になっているのに、WEBの表現が魅力的でなかったり、導線が複雑なため、ホット客を取り逃がしている可能性があります。
もう一つの可能性は、相当興味を持っているのに「あと一押しが足りない」ということです。となると、再度のプッシュメールを送りたくなるのですが、これをA~Dの相手全部に送ると、「しつこいなあ!」、「もう買ったぞ!」と迷惑行為になってしまう可能性が高いです。
ところがメールの世界では、BまたはCに該当する人だけを取り出すことが可能。「クリックしてWEBを閲覧したが購入しなかった人」だけに再プッシュメールを送付することができるのです。
いかがでしょうか。効果測定からの打ち手立案のパワフルさを実感いただけたのではと思います。
前ページで述べたのは、開封、クリック、購入という見込み客の【行動】を測定し、それを打ち手に反映するというストーリーでした。一方でメルマガの効果に、【心理】的なものも存在します。例えば自動車メーカーZ社から送信されているメルマガの場合。
自動車というのは5年程度のインターバルで買い替えるものなので、メルマガが創刊されて半年で行動レベルの効果を見せろと言われても担当者は困ってしまいます。でも、こんな場合でも心理的効果は確実に存在するはずです。具体的には、「企業理解促進」「企業への好感醸成」「未来の購買意向醸成」などです。
例えばZ社が品質にとことんこだわっている企業であるという具体的事例がメルマガで伝われば、企業理解が促進されます。また、環境問題への取り組みなどの紹介が好感の醸成につながるケースも多いです。また、それらのコミュニケーションの集積が、「3年後かもしれないけど、次に買うならZ社のクルマだ!」という未来の購買意向につながる場合も少なくありません。
メルマガを読むことにより、これらの心理的効果が得られたなら、それは立派な成果と言えるのです。
問題は、これらの心理的効果の測定手法です。ここではレスポンスチェック(クリックカウント)や開封ログではなく、アンケートを駆使することになります。そのコツは、2つあります。
1つ目はメルマガ配信にからめたアンケートを日常的に行うことです。これが心理データ測定のベースとなります。
次の2つ目がここでは重要。日常的に行われているアンケートの中に「定点観測項目」を入れ込むのです。
例えば、5段階評価で「Z自動車は品質にこだわっていると思う」、「Z自動車は環境に配慮していて好感が持てる」、「数年後に乗り換える時はZ自動車を真剣に検討する」といった項目を聞きます。
そして、まったく同じアンケート項目を例えば6カ月といった一定期間ごとに他のアンケートに紛れ込ませて実施します。
メールから誘導したアンケートでは、メールアドレスで個人が特定できます。1回目と2回目の定点観測回答者群から両方に答えた人たちのデータだけを抽出し、その平均値の変化を比較することにより、継続して配信しているメルマガの心理的効果を測定することが可能になるわけです。
ちなみに、筆者がコンサルティングをした数社では、いずれも顕著な心理的効果が測定されています。
いかがでしょうか。皆さんのメルマガも、【行動】レベル、そして【心理】レベルの効果を測定してみてはいかがでしょうか。
メルマガ制作・運用代行サービスの特徴や料金プランなど、
詳細資料(PDF)をご確認いただけます
この章では、少しメールから離れてコミュニティ(掲示板)の話題です。でもご安心ください。コミュニティとメールは深い関係があるのです。このコラムの最後にそのお話をしますが、まずはコミュニティ自体について学びましょう。
今回はコミュニティの達人であるヤマハ株式会社の音楽ポータルプロジェクトリーダー鞍掛氏にお話を伺いました。
ヤマハが運営する音楽ポータルサイト、ミュージックイークラブには幾つものコンテンツがありますが、その最大の目玉はコミュニティです。
具体的には「プレイヤーズ王国」とネーミングされたコミュニティです。ここでは、音楽演奏を楽しむ人たちが自分の曲をアップロードして公開することができます。また、曲を聴くだけという参加も可能。そして通常のコミュニティのように掲示板での意見交換がなされます。
このコミュニティ、月間延べ50万人の訪問があり、アップロードされた曲は、月間で合計100万回聴かれているとのことです。ヤマハが提供するこの仮想空間で非常に活発なコミュニケーションが音楽を愛する人たちの間で交わされているわけです。
実はこれ以外にもヤマハの運営する、ちょっと毛色の異なるコミュニティがあります。MusicFrontと呼ばれるサイトです。
さきほど紹介したプレイヤーズ王国が草野球をワイワイ楽しむ人たちの集まりだとすると、こちらはプロとしてデビューを目指す予備軍が集まる場所です。極めてレベルの高い演奏がアップロードされ、その中から将来のカリスマが生まれようとしている場所。
全く異なる二つのタイプのコミュニティをヤマハは運営しているわけです。では、その背景について鞍掛氏に聞いてみましょう。
西田
プレイヤーズ王国の活気は凄いですね。でも、どうしてヤマハさんがコミュニティ運営にこれだけ熱心なのですか?
鞍掛氏
実はヤマハは皆さんに楽器を買っていただくことでビジネスが成り立っています。そのための種まきとして、以前から音楽教室や「ポプコン」などで音楽を楽しむ人たちの裾野を広げる活動をしてきました。インターネットがここまで普及した今、その活動をネットで行おうとするとコミュニティにいきついたわけです。
西田
なるほど。プレイヤーズ王国誕生の背景には、あの「ポプコン」があったというわけですね。
鞍掛氏
あと、最近ではインディーズに代表されるような、身近な人たちが作り出す音楽を楽しむ人たちが増えています。以前のような企業側に作られたカリスマの時代ではないのです。そんな背景にもネット上のコミュニティがマッチしたのかもしれませんね。
見知らぬ人18人の共同作品!
コミュニティでの活発なコミュニケーションが生み出した面白い事例を鞍掛氏に紹介してもらいました。それは、「青春のバカヤロー」という曲。プレイヤーズ王国の常連たちの間では「青バカ」という略称で通っている曲です。
2002年8月27日。「ヴィオリラっこ」さんが作曲し、それに「風に吹かれて」さんが歌詞をつけた曲「青春のバカヤロー」がプレイヤーズ王国にアップロードされました。
ここに書かれた「只今、この歌を一緒に歌ってくださる方を大募集しています。」という一文が、後に大きなうねりを生み出すことになります。
ひとりの人が名乗りをあげ、一緒に歌って作った「青春のバカヤローcollaboration ver.-」が生まれ、それにまた一人が加わって「collaboration ver.3」になり・・・。
そして今年の10月16日の時点では、バージョンは18まで出来ました。
ネット上で出会った見知らぬ人たち同士18人のコーラスを聴くと、ある種の感動さえ覚えます。ちなみに初期のバージョンの数人のコーラスも、味わい深いものがありますし、ダンスミックス、スウィング、マーチなど様々な形式での「青バカ」が生まれてアップロードされているのも興味深いです。
皆さんも、ぜひ「青バカ」を聴いてみましょう!
ステップ1▼
ミュージックイークラブのトップ画面からプレイヤーズ王国に入る。
ステップ2▼
キーワード検索を「作品名」で行う。 「バカヤロー」だけでもOK。
ステップ3▼
聴きたいバージョンの再生ボタンを押す。
これだけです。専用の再生プレイヤーが必要ですが、再生ボタンを押せば自動でダウンロードされます。
最後にコミュニティとメールの関係について鞍掛氏に伺いました。
西田
コミュニティを運営する際にEメールはどのような役割を果たすのでしょうか?
鞍掛氏
MusicFrontでは、非常に大きな役割二つをメール(メルマガ)が果たしています。一つ目は「こんな内容を書き込んで!」という掲示板への話題提供。
例えば、「★《今週の話題》★」では今週のテーマは「同じCDを2枚買ったことってありますか?」といったものです。
二つ目は掲示板に「こんな面白い書き込みがあったよ!」というダイジェストです。この二つの役割のおかげで、掲示板が盛り上がるというわけです。
西田
プレイヤーズ王国のほうは、そういったことをしていませんよね。なぜMusicFrontだけなのですか?
鞍掛氏
会員数と書き込みのしやすさの違いがポイントです。プレイヤーズ王国は会員数も多いし、草野球的気分でワイワイと楽しく書き込みをしてくれるので、メールでのてこ入れは不要なのです。ところがMusicFrontはプロ予備軍が集まるコミュニティなので、数はどうしてもプレイヤーズ王国よりは少ない。また、お互いにライバル心を感じているのか、気楽な書き込みは少ないですね。
西田
同じヤマハさんが運営するコミュニティでも、その性質によってメールによる補佐が必要だったり不要だったりするということですね。大変参考になりますね。ありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
実はコミュニティをメールで活性化するという技法は、私が以前から提唱し、実際に成功事例も蓄積してきているものです。今回コミュニティの達人ヤマハさんが同じアイデアを採用しているのを見て、再度その有効性を確信した次第です。
地味な商品やサービスを扱う企業のコミュニティ(掲示板)を盛り上げるには、もってこいのやり方です。ぜひ試してみてください。
この章では、写真やイラストが使われるカラフルなメール、HTMLメールについてです。最近、通信速度やメールソフトなどの環境が整い、HTMLメールを活用する企業が増えてきました。その使いこなしのコツなどをご紹介します。
数年前までは、重箱の隅をつつくような論理でHTMLメールを忌み嫌う人たちの意見が幅をきかせていましたが、最近は全く逆に、HTMLメールを手放しで賛美する動きもあります。
例えば、皆さんの会社に「HTMLメール屋」が売り込みに来たことはありませんか? 彼らのセールストークは、「HTMLメールなら効果が2倍ですよ!」というものです。ひどい場合は、10倍という数字を使う業者もあります。
「HTMLメールは最新で良いもの。テキストメールは古くて悪いもの」。この考え方は誤りです。メディアとしての先輩である、紙媒体を例に考えてみましょう。例えば、「週刊新潮」という雑誌は大部分が文字だけで構成されています。これは、テキストメールに相当します。
また、「FRIDAY」という雑誌は大部分が写真で構成されています。これは、HTMLメールに相当します。
もしここで、「写真をふんだんに使ったFRIDAYは、文字だけの週刊新潮より優れている」という人がいたら、周りから変な目で見られますよね。
2つの雑誌に優劣はなく、個性があるだけです。それぞれの得意なコンテンツを、それぞれの読者層にぴったりの表現形式で届けるための工夫。それが、文字主体あるいは写真主体という形となって表れているのです。
Eメールも全く同様です。例えば自動車会社からのメルマガを例にあげましょう。新車の発売日のメールは、HTML形式で、その美しいフォルムを見せたいところです。しかし、その後週に1回、開発者のこだわりを伝えるには、テキストメールでじっくり語るほうが良いかもしれません。HTMLメールが優れているという短絡的な考え方は捨て、その個性を生かすプランニングを行うことが重要なのです。
HTMLメールは画像が貼れる!これは間違いではありませんが、プロが注目するHTMLメールらしさは別のところにあります。
【フォーム活用】
まずは、フォーム(アンケートなど)をメール自体に入れ込めることです。今までは、いったんWEBに飛んで、そこでフォームに記入してもらっていたのが、1ステップ省略できるのです。
メールやWEBの読者は、1回クリックしてもらうごとに8~9割は目減りするのが常識です。よって、逆にいうとHTMLメール内のフォーム活用により、反応率を10倍近く高めることが可能なのです。
実際に東急ハンズ新宿店のHTMLメールはフォーム活用により、10~20%の回答率を実現しているそうです。
【画像なしHTMLメール】
画像を使わないHTMLメールもあります。つまりワープロを使って作成した文書のイメージです。文章の重要な部分の文字サイズを大きくしたり、赤字にしたり、アンダーラインを引いたり。こういったHTMLメールなら、「重い」とか「接続を切ったら画像が表示されない」ということもありません。
【リンク多用】
また、リンクを沢山張るメールに、HTMLメールが有効です。
例えば、全国の特産物の紹介で、都道府県ごとにURLを記述するとします。テキストだと、それだけで47行を費やしてしまいます。
北海道: http://www.emm-i.com/hokkaido.html
青森 : http://www.emm-i.com/aomori.html
秋田 : http://www.emm-i.com/akita.html
(以下、続く)
これがHTMLメールだと都道府県名をクリッカブルにすることで、数行に短縮できるのです。
北海道/青森/秋田/
(以下、続く)
既にHTMLメール送信を始めている企業も増えてきました。当初大事件だったHTMLメールの制作も徐々に慣れてきたでしょう。その頃に次のような疑問が芽生え始めます。
「そもそもWEBとHTMLメールの違いって何だろう?」「どっちもHTMLで記述してるので原理的には同じはずだし、実際にアメリカから来るHTMLはWEBページをそのまま送りつけてるようなのも多い」「いや、でもWEBとHTMLメールは違ってしかるべきだ!と言いつつ、それが何かは・・・」
私自身も未だ結論が出ているわけではないのですが、いくつかのヒントをお伝えしましょう。
【WEBは網羅、HTMLメールは一点突破】
北海道の海産物のECサイトを例にあげます。例えば、HTMLメールでは、「30パイ限定大型活けケガニ!」といったコピーと共においしそうなカニの画像を送ります。が一方で、WEBではケガニに限らず、ホタテ、イクラ、ホッケなど北海道の海の幸を網羅的にお伝えします。つまり、WEBは網羅、HTML メールは一点突破という役割分担が基本と言えるのです。
これの発展形として、WEBは全員同じ、HTMLメールはOne to Oneという考え方もあります。性別・年齢といった属性や購買履歴に応じて、その人にだけにぴったりのメールをHTMLメールで送ります。
一方、WEBは誰が見に来ても同じものを網羅的に伝えるという役割分担です。
【WEBはフォーマル、HTMLメールはインフォーマル】
別の切り口で、WEBはフォーマル、HTMLメールはインフォーマルという考え方もあります。例えば、楽天市場の中国茶のサイト「快適生活市場」では、 HTMLメールでのみ、店長の米谷さんのほのぼのした手書きの漫画が読めます。このケースは、WEBサイトではきっちりした対応を演出し、メールでは店長さんの人間味を伝えるという役割分担がうまく行われている典型例といえるでしょう。米谷さんのHTMLメールのバックナンバーは下記からアクセスできるので参考にしてみて下さい。
http://www.rakuten.co.jp/oft/news.html
繰り返しになりますが、HTMLメールをヒステリックに否定したり、また、手放しで賛美するのは誤りです。そうではなく、HTMLメールならではの特性を把握し、その強みを発揮できる賢い活用方法を考えて実行することが今マーケターに求められているといえるでしょう。
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メールマーケティングをとことん突き詰めて、ふと今までの道のりを振り返ると気が付くことがあります。それは、「結局これって、究極のデータベースマーケティングだったんだ」ということです。
データベースマーケティングとは、「顧客DBを活用して、顧客ひとりひとりにぴったりなコミュニケーションを行うこと」と、「顧客とのコミュニケーションから得られた情報を顧客DBに格納し、DBを次々と豊かにしてゆくこと」の2つから構成される概念です。考え方としては非常に素晴らしく、10年以上前から語り続けられています。
が、実際の成功事例となると極めて少ないのが現状です。顧客情報を多少溜めるところまでは実施している企業も多いのですが、その活用となると単に経理処理に使っているぐらいで、それ以外の豊富な情報は、「たんすの肥やし」、「宝の持ち腐れ」となっているのです。その原因は2つあります。
まずは情報を蓄積する段階でのハードルです。例えば営業マンが顧客との商談の中で豊富な情報を手にいれることは日常茶飯事です。
しかし、これをパソコンに入力するのは大きな手間がかかります。結果として顧客DBに残るのは、せいぜい「いつ、誰を訪問したか」といった乾いた、使えない情報だけになることが多いのです。
2つ目のハードルは情報活用段階のものです。仮にある通販会社が莫大なコストを投入して、100万人の顧客の詳細なDBを構築したとします。
そこには、性別・年齢・家族構成はもちろん、趣味嗜好・ライフスタイル・購買履歴などの豊かな情報が入っているとします。本来であれば、100万人に対して、100万通りの異なる郵便DMを作成して送付すれば、絶大な効果が望めます。しかしこれは現在の印刷・製本・封入技術では不可能なのです。結果として豊かな顧客DBも宝の持ち腐れとなってしまうのです。
実は、この2つの悩みを一挙に解決してしまうツール。それがEメールです。
今まで絵に描いた餅であったデータベースマーケティングがEメール活用によって容易に現実のものになるのです。以下、4つのステップでメールという道具によるデータベースマーケティングの実践方法を解説しましょう。
まず誰にでも可能なデータベースマーケティングから始めましょう。今保有しているメール配信DBには、メールアドレス以外に何らかの情報が入っているはずです。一番シンプルなのは、「氏名」。既に実施している企業も多いのですが、メールの文章の中に「田中一朗 様」といった挿入を行うのも、実は立派なデータベースマーケティングです。また、性別や年齢などの情報があれば、それに応じたOne to Oneの内容を差し替えてみるのも良いでしょう。しかし、この段階では絶大な効果は得られないケースが多いです。むしろ、次のステップ以降の練習と考えるのが良いでしょう。
WEBCASなどの高機能メール配信システムを使うと、Eメールに対する読者の反応が極めて容易に取得できます。反応には2種類あります。
1つ目はクリックカウント。誰が、メールのどのURLに反応してクリックしたかがわかります。例えば、ある酒店からのメルマガに「ワイン」「ウィスキー」「日本酒」の3種類のWEBへのリンクURLがあったとします。そこでワインのURLにクリックした人には、とっておきのお値打ちワインの増刊号メールを送るといったことが効果を生むわけです。
2つ目はアンケート回答。高機能メール配信システムを利用するとメールで誘導したアンケートの回答履歴が容易にメール配信DBに格納できます。この場合は、極めてダイレクトに、例えば「ワインが好き」とアンケートに回答した人にワインの増刊号メールを送るというわけです。
ステップ2まで進むとデータベースマーケティングの効果がどんどん現れてきます。そこで多くの担当者が思うのは以下のようなことです。
「顧客の購買履歴に応じてOne to Oneメールを送るともっと効果がありそうだ。でも、購買履歴はメール配信DBとは別のデータベースに入っている。もちろん一度CSVに落としてからメール配信DBに入れれば良いのだが、毎日この作業をやるのも無理があるし・・・。」
そこで必要になるのが、>ASPではなく導入型のメール配信システムです。自社でメール配信サーバーを保有すれば、別に存在するDBとシームレスに連携し、メール配信DBを圧倒的に豊かにし、またそれをリアルタイムで更新し続けることが可能になります。
具体的な利用シーンを花屋の例で示します。まず、購買DBとメール配信DBを連携します。そして購買履歴に応じて、例えば昨年の母の日にバラの花を買った顧客に対し、今年の「母の日」の1ヵ月前に「昨年は当店で母の日プレゼントをご購入いただきありがとうございました。バラの花ももちろん喜ばれますが、最近は胡蝶蘭も以外とお手ごろな価格で手に入りますよ」といった内容のメールを全自動で配信することが可能になります。
また、別の例で、パソコンメーカーでのシーンも例示しておきましょう。
まず、コールセンターDBとメール配信DBを連携します。そして、例えば鈴木様からコールセンターあてにパソコンの利用方法の質問電話をいただいたとします。その1週間後に、「先日はお問合せいただきありがとうございました。
その後、PCのご利用はいかがでしょうか。またご質問などありましたら、ご遠慮なく電話もしくはメールにてお問合せください。当社のPCが鈴木様のお役にたてることを切に願っております。」といったメールの全自動での配信が可能になります。
これだけ大切にされた鈴木さんは、次回の買い替えでもこのメーカーを選ぶ確率が格段に高まるでしょう。また、お友達にも熱烈に推薦してくれるかもしれませんね。
最後のステップはメール配信から得られるクリックカウントやアンケート回答の情報を既存DBに反映するというものです。
例えば、自動車会社の営業マンの活動を支援するSFA(セールス・フォース・オートメーション)のDBとメール配信DBを連携します。メールから誘導したアンケートで「現在のお車に関して」答えていただきます。
そこで、「そろそろ買い替えの時期である」「今のクルマに不満がある」「家族構成が変った」といった自動車販売のチャンスと考えられる項目にチェックした情報が自動的にSFAのDBに反映されます。そして、SFAのシステムから、見込み客ホットリストが出力され、営業マンは「お久しぶりです。お車の調子はいかがですか?」といった電話をかけることが可能になります。営業効率の飛躍的な向上が期待できるわけです。
いかがだったでしょうか。メールを活用したデータベースマーケティング、皆さんも始めてみませんか。
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