導入事例
桜美林大学様
「これまで50%だった進路調査アンケートの回答率が95%まで向上しました。WEBCASで、進路調査と卒業審査の合否発表を一貫しておこなったことが成功の要因です。」
2023年11月02日掲載
桜美林大学様は、卒業時の卒業審査合否発表や学位授与式の座席発表、そして進路調査の実施を一貫しておこなうため、学籍番号等でのログイン認証がおこなえるアンケート・フォーム作成システム「WEBCAS formulator」の利用を開始されました。3月と9月の卒業シーズンに合わせWEBCASを利用し、職員と学生双方が必要な情報を効率的に得られる仕組みを構築されています。同大学のご担当者様に、WEBCASの活用内容や導入によって得られた効果をお聞きしました。
WEBCASを選んだ理由
WEBCASの導入効果
桜美林大学は「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を建学の精神とし、 世界を舞台に活躍できる人材を育成することを目指して教育活動を展開しています。2021年5月28日には創立100周年を迎えました。メインキャンパスは東京都町田市にあり、ほかにも都内および神奈川県に5つのキャンパスを有しています。
本学は学部制ではなく7つの「学群制」を導入しており、学生は特定の分野だけではなく隣接した分野も広く学ぶことができます。また、メジャー(主専攻)とマイナー(副専攻)を組み合わせて“自分だけの学び”をデザインできることも特徴です。外国語教育、留学、国際交流にも力を入れており、留学派遣者数は「大学ランキング2021」(朝日新聞出版)で全国第7位にランクインしています。
東京都町田市に位置する桜美林大学のメインキャンパス。キャンパスに門や柵を設置しないことで誰にでも広く開かれていることを象徴し、国境や文化を越えて学ぶ桜美林大学の姿勢を表している。
学務部教務課では、主に「学修支援業務」「学事業務」「資格教職業務」の3つの業務を担当しています。具体的には、履修ガイドや時間割作成に加え、学籍の管理、各種証明書の発行、授業改善アンケートの実施、学位授与式などの式典の運営、そして教育職員免許状や博物館学芸員などをはじめとする資格取得の支援など、さまざまな業務をおこなっています。それぞれのキャンパスの事務室に教務の担当者がいるのですが、私たち町田キャンパスの学務部教務課がヘッドオフィスとしてリードしている形です。
今回のWEBCAS活用に際しては、学務部教務課とキャリア開発センター、校友課、そして桜美林学園全体の情報システムを管理する部門が連携して取り組んでいます。
「情報システム部は、幼稚園から大学まである桜美林学園全体の情報システムを担当しています。今回の取り組みは、複数の部門が連携して推進しました」(小室様)
3月と9月の卒業シーズンに「WEBCAS formulator」を利用し、卒業審査の合否発表と学位授与式の座席発表、そして進路調査アンケートをおこなっています。具体的には、WEBCASで以下のように【合否発表→進路調査→学位授与式の座席発表】というページ構成のログイン認証アンケートを作成し、「学生側が卒業時に知りたい内容」と「大学側が卒業時に知りたい内容」をどちらも取得できるような仕組みをつくっています。
WEBCASで作成しているアンケートフォームの全体的な流れ
合否や学位授与式の座席番号など「学生側が知りたい情報」は、学籍番号等と紐づける形でWEBCASのデータベースにあらかじめ登録しておき、学生が自身の学籍番号と管理番号を使ってログインすることで閲覧できるようにしています。
学生が自分専用の番号でログインすると、卒業審査の合否や修了専攻コースが確認できる
卒業後の進路など「大学側が知りたい情報」は、卒業審査の結果が「合格」だと回答した学生のみにアンケート画面が表示されるように設定し、そこで卒業後の連絡先や就職先などを入力できるようにしています。
自分の合否結果を選択し、合格の学生は進路調査に進む
そして進路調査への回答が完了すると、最後に学位授与式の座席が確認できるという流れです。
詳しくは後述しますが、合否発表と座席発表の間に進路調査のアンケートページをはさんだことで学生の皆さんが気軽に回答してくれるようになり、進路調査の回答率が95%まで向上しました。
合否発表は学内のポータルサイトでおこなっており、学位授与式の座席発表と進路調査は郵送でおこなっていました。その後、学内でオンライン化が進み、数年前から学位授与式の座席発表も学内のポータルサイト上でおこなう運用となりました。進路調査についてもGoogleフォームなど無料アンケートツールを活用したWebアンケートに移行しましたが、こちらは私たち学務部ではなく「キャリア開発センター」という別の部署が担っていたため運用がわかれており、合否発表とは別のタイミングで実施していました。
進路調査アンケートでは卒業後の進路や連絡先を聞いているのですが、このアンケート回答率が50%ほどにとどまっており、卒業後の学生の就職先や住所、メールアドレスなどを正しく把握できないという悩みがありました。
大学側にとって学生の皆さんの卒業後の進路を知ることは非常に重要で、たとえば「どのような就職先を選んでいる人が多いのか」「就職率はどのくらいか」などを調査・分析することで、今後の大学の運営や広報活動に活かすことができます。また、卒業生に対して同窓会に関するお知らせやイベント情報などを届けるためにも、卒業後の連絡先を正しく把握しておく必要があります。そのため、進路調査のアンケート回答率をできるだけ上げることが課題でした。
「卒業後の進路は大学にとって大変貴重な情報なので、取得しやすい仕組みをつくりたいと考えていました」(井上様)
また、前述したように卒業審査の合否と学位授与式の座席については学内のポータルサイト上で発表していましたが、これら2つの情報は別々のページに公開されていたため、合格したことだけ把握していて座席情報を確認しないまま学位授与式に来る学生も少なくありませんでした。そのため式典当日は案内役を何人も配置して席がわからない学生のフォローをするなど、運用が煩雑になっていました。
そこで、すべての学生が必ず確認する「合否発表」の際に、進路調査と座席発表を併せて実施すればこれらの問題が解決すると考え、この運用が実現できるシステムを探すことにしました。
実は数年前に別の業務でWEBCASを使ったことがあり、今回の取り組みにも最適なのではないかと考えたのがきっかけです。当時は入学時アンケートのWeb化をするためにWEBCASを利用したのですが、サポートが手厚く、すぐに導入できて使いやすいという印象がありました。そこで今回もWEBCASを第一候補として検討したのですが、最終的には以下3つの要件に合致したことが採用の決め手です。
「WEBCASの使いやすさや手軽さは知っていたので、私たちのやりたいことが実現できるのであればぜひ使いたいと思いました」(岡田様)
卒業審査の合否や進路情報など機密性の高い個人情報を扱うため、セキュリティ対策が十分に実施されているシステムを求めていました。また、学籍番号等でログインすることで、学生一人ひとりに応じた内容を画面に表示できることが必須要件でした。
WEBCASはセキュリティに厳しい金融機関や官公庁にも多数導入されていることに加え、ログイン認証機能があり、私たちの求める運用が実現できることがわかりました。
【卒業審査の合否発表→進路調査→学位授与式の座席発表】という順序でページを遷移させたかったため、複数ページにまたがるアンケートフォームが作れるかどうかがポイントでした。また、卒業審査が合格だった人のみ進路調査アンケートに進めるようにしたかったため、「合格の人はこちら」「不合格の人はこちら」という設問を用意し、その回答に応じて進路調査に進むか終了するかをシステム側で設計したいと考えていました。
WEBCASには回答内容に応じたページ遷移・ページ分岐などの機能があり、思い通りのページ構成にできると考えました。
使用するのは3月と9月の卒業シーズンのみなので、その都度単発で利用できるかどうかも重視していました。WEBCASは1か月単位での利用が可能でしたので、この点にも魅力を感じました。
職員と学生双方にとって「得たい情報を確実に入手できる仕組み」ができ、大幅な効率化を実現できたと感じています。具体的な導入効果は以下2点です。
前述のとおり、これまで50%だった進路調査の回答率が95%までアップしました。また、以前はなかなか回答が集まらなかったため、キャリア開発センターが年間通して何度もアンケートを送付していましたが、今回の運用に変えたことでその対応も不要になり、担当者の労力が大幅に削減できました。
卒業審査に合格した学生がそのまま学位授与式の座席を確認できるフローにしたことで、学生が確実に座席情報を見てくれるようになりました。また、各学生が進路調査を含めたこの一連のアンケートフォームへの回答を完了すると、その学生宛に座席情報などがメールでも自動通知されるように設定しているため、座席の場所を忘れてしまっても学生自身がスマートフォンで確認できるようになりました。これにより、式典当日に「座席がわからない」と相談に来る学生はいなくなり、学位授与式をスムーズにおこなえるようになりました。
管理画面がわかりやすく、とても使いやすいです。専門知識がなくてもシンプルで見やすいアンケートフォームが作成できますし、ページ分岐の設定などもスムーズにおこなえます。学生の成績や合否結果がまとまるのがギリギリだったため、3月と9月いずれも月末にWEBCASを契約し、5日以内にデータベースの設定やアンケートフォームの作成を済ませて合否発表…というタイトなスケジュールでしたが、問題なく運用することができました。
さらに、WEBCASにはアンケートフォームの設問やレイアウトを丸ごとダウンロードできる機能があったため、3月に設定したものを9月に再利用することができ、非常に効率良くアンケートフォームを作成することができました。時期によって多少内容を修正する必要はありますがベースは変わらないため、この機能はとても便利だと感じています。
「一度だけシステム操作について質問しましたが、適切にサポートいただき、大変スムーズに運用できました」(宮脇様)
現在、私たちは学生の利便性と大学業務の効率化を図るため、部門を超えて学内のオンライン化を促進しています。今回の取り組みがその一例ですが、WEBCASは「学生の声を集める」「学生に情報を届ける」など、学生とのさまざまなコミュニケーションをオンライン化できるシステムのため、今後もさまざまな場面で有効活用できるのではないかと考えています。
WOW WORLDさんの他大学の事例なども参考にしながらより良い施策を検討していきたいので、今後もサポートをよろしくお願いします。
アンケート・フォーム作成システム
WEBCAS formulator
PC・モバイル対応、回答数無制限で高セキュリティのアンケート・フォーム作成システム