導入事例
株式会社ベルーナ様
「メールマーケティング基盤と運用体制を変えたことにより、メール経由の売上が前年度比1.9倍になりました。さらにメール配信コストは6割以上削減できました。」
2017年03月13日掲載
大手通販会社ベルーナ様は、メールマーケティング基盤の刷新により、メールマーケティングによる売上大幅アップと運用コスト大幅削減を実現されました。ご担当者様に詳しい話をお聞きしました。
WEBCASを選んだ理由
WEBCASの導入効果
ベルーナは、アパレル・ファッション雑貨・インテリアを扱う「総合通販事業」、化粧品・食品・ワインなどを扱う「専門通販事業」を展開する通販会社です。
EC事業本部は「総合通販事業」のマーケティングを統括する部門で、ミセス向けECサイト「ベルーナ」、若年層向けECサイト「RyuRyu」、インテリアECサイトのマーケティング全般を担当しています。また情報システム本部はEC関連システムの保守、運用管理を担っています。
「ベルーナ」ECサイト
ベルーナは、メール配信システムWEBCAS e-mailを、総合通販ECサイトや専門通販サイトのメルマガを配信するシステムとして、2016年9月に導入しました。 特に総合通販では、キャンペーン管理システムAimstar(スプリームシステムコンサルティング社製品)とWEBCASを連携させて、約100万人の会員に毎日さまざまなメールを配信しています。
大きく分けて3つの効果がありました。
1.メールマーケティング経由の売上が飛躍的に向上
ベルーナ総合通販で実施しているメールマーケティング経由の売上は前年度比で1.9倍となりました。
2.メール配信コスト(システム運用費)と、メール制作コスト(人件費)が大幅ダウン
従来は他社のオンプレミス版メール配信システムを利用していましたが、今回WEBCAS e-mailのクラウドサービスに切り替えたことで、メール配信にかかるシステム運用コストが60%以上削減されました。
また、AimstarとWEBCAS e-mailの連携で業務効率がアップし、メール制作にかかる人件費は30%削減できました。
3.メール配信速度が向上
従来は4時間かかっていたメルマガ全配信の配信時間が2時間半に短縮し、配信時間が約35%削減されました。2016年度秋シーズンより「○時からスタート!」と時間を決めたセール・クーポン施策を開始したので配信速度は重要でしたし、これまで実施していなかった複雑な出し分けを伴う“高負荷配信”でも、従来感じていた「配信性能に起因する運用ストレス」を感じることはありません。
「メルマガ専用回線などインフラコストの削減効果が大きかったですね。」(小島様)
はい。WEBCAS導入前の運用からお話した方がわかりやすいと思いますので、順を追ってお話します。
当社では以前から “メルマガはカタログより安く届けられる”“どんなに送ってもコストはかからない”という意識が強く、2015年頃まで全メルマガ会員に毎日メールを一斉配信していました。
私は元々ベルーナのカタログ通販のマーケティングを担当しておりましたが、そもそもお客様の好みに合わないカタログを送ってもほとんど効果がないですし、送りすぎると嫌がられる、という経験をしてきました。
そこで2年前から「お客様一人ひとりのニーズに合ったメールを適正な頻度でお送りする」ため、キャンペーン管理システムAimstarを使ってメルマガ会員を「購入率が高い商品カテゴリ」で9セグメントに分け、そのセグメントに合った商品情報をメール配信システムから配信するようにしたのです。
「お客様の趣味嗜好に合った内容でなければ、メルマガもカタログも効果は出しづらいです」(蓮沼様)
想定通り、良い結果が出ました。メール配信数が70%減ったにもかかわらず、メール経由の売上は向上したのです。
しかしやはり、現場は毎日大変でした。「Aimstarで9つのリストを抽出」「メール配信システムにリストを9回取り込む」「メルマガを9パターン作って配信」という、手動のルーティーン業務を回すので手いっぱいになり、新たな施策の企画立案や、既存施策の精度を高めることは、運用的にもシステム的にも困難でした。
今回のAimstarとWEBCASの連携により、メルマガを「ラクに」運用できるだけでなく「もっと上を目指せる」体制が構築できました。ターゲット抽出から配信設定まで1ツールでできるようになって手間が減り、テンプレートを活用することで9パターンのコンテンツをゼロから作る必要がなくなりました。これにより新しい施策を企画・実行できる土台が整いました。
今では、Web行動データから導き出した「お客様の好みにあう商品情報」の自動差し込みや、Web行動をトリガーにしたメールの自動配信など、精度が高い施策が手軽に実現できるようになっています。
今取り組んでいるメール施策をいくつかご紹介します。
1.お客様のWeb行動をベースにした自動配信メール
これは今回新たに開始したもので、「お客様が商品をカートに入れた」、「お気に入りに登録した」、「○回商品詳細ページを閲覧した」などの行動データをもとに、商品ステータスが変更されたら自動でメールを配信する施策です。具体的には「値下げになりました」メール、「在庫わずかになりました」メール、「再入荷されました」メールの3つで、1通当たり受注金額が最も高かったのは「値下げメール」です。他にも、クーポン利用期限が迫ったお客様に「お持ちのクーポンは明日までです」とお知らせするクーポンリマインドメールも、非常に効果が高いです。
これらの施策は、配信数こそ少ないものの、通常メルマガよりも購買率がかなり高いのが特徴です。
「値下げメールやクーポンリマインドメールの効果はとても高いです」(小川様)
2.通常メルマガ
従来から送っていたメルマガも少しずつブラッシュアップしています。
毎日送っているメルマガは、曜日毎に違った切り口で9セグメントに分けて配信しています。たとえば火曜は「再入荷商品」、木曜は「顧客別カテゴリランキング」、金曜は「新着商品」などです。
たとえば木曜配信の「顧客別カテゴリランキング」メルマガでは、トップスをよく購入される方のメール冒頭には、トップス人気ランキングが自動で入ります。その下に、お客様の“今”の好みに合った「新着商品案内」や「再入荷アイテム」、「値下げアイテム」等を自動で差し込んでいます(※下記参照)。このメール施策は、従来行っていた「全顧客同一ランキングメルマガ」と比べ、メールでの受注額が1.5倍になりました。
3.初回購入者向け購入促進メール
初回購入者に2回目の購入を促進するステップメールを複数回配信しています。従来はベルーナのサービスやご利用案内をテキストベースで紹介するフォローアップメールだったのですが、今は「はじめて購入した商品と関連性の高い商品」を個別にレコメンドできるようになったため、転換率をぐっと高められるようになりました。
当社は今、このようなメールシナリオを約20走らせていますが、特別なセールやキャンペーンを除き、配信頻度は「一人あたり一日1通まで」としています。 “Web行動をベースにした自動配信メール”の優先順位を高くして、できるだけお客様の「今」の興味にマッチした情報を、適切な頻度でお届けしたいと思っています。
メールマーケティングに関しては、先ほどお話した運用面の課題以外にも、以下の課題を抱えていました。
・スマートフォン向けHTMLメール配信ができなかった
以前のシステムはスマートフォンにHTMLメールを配信する機能がありませんでした。アパレル商材は商品ビジュアルが売上を左右しますので、スマホ向けHTMLメール配信はぜひ実現したいと思っていました。
・システム運用コストが高かった
以前のオンプレミスのメール配信システムは、メール配信システムやデータベースのライセンス・保守費用に加え、サーバ、専用回線等のインフラに多くの費用がかかっていました。システム部門の管理運用コストもかかっていたので、これら管理運用コストを削減したいと考えていました。
一方ベルーナでは、「カタログ顧客データとWeb顧客データを統合する」DWH(データウェアハウス)データ統合プロジェクトを推進中でした。このプロジェクトではWebログデータの統合管理も行う予定だったので、このタイミングでWebログをAimstarで扱えるようにして、さらにAimstarと新しいメール配信システムをつなげられれば、Web上の行動履歴を活用した高度なメールマーケティングにチャレンジでき、業務効率も上げられると考えました。
そのとき、たまたま従来のメール配信システムの保守が打ち切られるタイミングだったことや、上記諸々の課題があったことが追い風となり、「メール配信システムの移行」をDWHデータ統合プロジェクトに組み込むことになりました。
4社ほど主要メール配信システムのベンダーを呼んで話を聞きました。選定で重視したポイントは以下の通りです。
1.キャンペーン管理システムAimstarとの連携実績
当初からAimstarと新しいメール配信システムを連携する前提だったため、Aimstarとの連携実績をかなり重視していました。WEBCAS e-mailは、選定した中でAimstarと連携実績があった唯一のメール配信システムでした。
2.大手総合通販業界の導入実績
当社の会員規模と配信頻度にシステムが耐えうるか、という点もポイントでした。「会員100万人に毎日メルマガを配信している」と伝えると「うちにはそんな実績はないですね…」と及び腰になるベンダーもありましたが、WEBCAS e-mailは大手総合通販業界において圧倒的な導入実績がありましたし、不安材料は特段見あたりませんでした。
3.配信エンジンに徹する運用が可能だったこと
当初から「運用はシンプルにしたい(Aimstarでターゲット抽出から、配信設定、分析まで行いたい)」と考えていました。WEBCASは連携方式が柔軟に用意されており、裏側でデータを受け取ってメール高速配信のみを担う、いわば「黒子に徹する」運用が可能でした。他社は「抽出まではAimstar、配信設定は別のメール配信システム」と分けた運用しかできず、この要件が満たせませんでした。
上記に加え、コストが比較的安価だったことから、WEBCAS e-mailを採用しました。
今回、DWH・キャンペーン管理ツール・メール配信システムの3つを連携し、メールの効果を高める「基盤」と「運用体制」を整備できました。今は「運用を楽にする」段階が終わって改善に着手しはじめたばかりですが、 “リアルタイムに近い行動データの活用ができ、新たなシナリオがすぐ作れる”ことの価値は、非常に大きいと感じています。
今後も「お客様にフィットした情報を送り続けたい」と考えています。まずは既存メール施策のパーソナライズ化を進めて、お客様の行動をより深く分析してから新たなメール施策を増やそうと思います。リアルタイム性の強い訴求をする、お客様の反応をもとに次の手段を変えるなど、やれることはたくさんあると思います。
また社内では、メールに加えてアプリやLINE 、FacebookやTwitter等のチャネルも活用していこう、と話が上がってきています。何をスタートするにしても「お客様に情報を発信する」という活動の根底は変わらないので、メールマーケティングで得た知見を存分に活かしていきたいですね。
エイジア(現WOW WORLD)さんにはシステムのサポートはもちろん、売上アップにつながる効果的な事例をご紹介いただいたり、スマートフォン等の最新デバイス情報を適宜わかりやすくお伝えいただいたりなど、実践的なサポートを期待しています。今後もよろしくお願いいたします。
メール配信システム
WEBCAS e-mail
毎時1,000万通以上の高速配信ができる、パッケージ市場シェアNo.1のメール配信システム