導入事例
高麗神社様
「ITツールに慣れていない担当者でも、きちんとフォローしてくれる企業のメルマガシステムを利用したいと考えました。」
2016年03月15日掲載
埼玉県日高市にある高麗(こま)神社は、2015年12月に顧客管理システムWEBCAS CRMを活用してメルマガ会員登録と配信をスタートしました。宮司の高麗 文康様に、メルマガをはじめた経緯や、今後のツールの活用などについて、くわしい話を伺いました。
高麗神社は、奈良時代に高句麗から渡来した高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)を祀っている神社です。668年に滅亡した高句麗からは多くの高麗人(=高句麗人)が日本に亡命し、大和朝廷が当時の武蔵国(今の日高市や飯能市など)に高麗人が居住する地として高麗郡を置きました。その初の郡長となったのが若光です。若光の没後、その遺徳を偲ぶために高麗神社が建てられました。今年2016年は高麗郡ができてちょうど1300年目で、今行政や民間団体、高麗神社が協力して様々なイベントを企画・開催しています。
出世明神として知られる高麗神社。出世祈願のため来訪する参拝者が絶えないという
高麗神社はWEBCAS CRMを、メルマガ会員の登録受け付けと、メルマガを配信するために利用しています。
メルマガは定期的に月2回配信しており、内容は高麗神社にまつわる様々なお話やイベント情報などをご案内しています。他にも臨時情報として、大雪やマラソン大会開催時など、神社前の道路に交通規制がある場合、事前にお知らせするようにしています。
高麗神社では若光の子孫が代々宮司を務め、現宮司の高麗 文康氏は60代目。高麗神社の歴史を広く伝える活動を精力的に行っている
神社、そして高麗神社のことを皆さんにもっと知ってほしいと考えていたからです。
旧来、神社の世界では「神社とは何か」を言葉で伝えようとしてきませんでした。私の父の世代位までは言葉よりも行動で示すタイプの方々が多かったのです。前提には「日本人なら、神社にお参りに来るのは当たり前。神社のことを知っているのは当たり前」という考えもあったのでしょう。しかし世の中広く見てみると、神社のことをよく知らない、という方は非常に多い。私は学生の頃から危機感を持っていて、神主になってさらに強く「将来の不安」を感じるようになりました。
「このままで神社は存続できるのか」という不安です。私が若いころは、神社関係者以外で、神社の来歴やお祭りの目的、お参りの仕方、お札を祀る方法などを、知る人はほぼいませんでした。このまま双方が理解し合うことなく、コミュニケーションが断絶したままでよいとは思えません。私は今それなりに経験を積んで責任も重くなり、コミュニケーションの戦略を立てられる立場になりました。そしてコミュニケーション手段やツールについて考えるようになったということです。
最初からメルマガに着手したわけではなく、まずDM(ダイレクトメール)から始めました。
以前、県の神社庁主催でお札の祀り方に関する催しを実施したとき、高麗神社もチラシを配って参加者を募りました。当社からチラシを受け取った参加者2,000名様向けにDMを郵送しています。受け取った方は少なからず神社に来ていただけますし、喜んでいただけている実感はありました。ですが、DMを継続的に出し続けるのは手間もかかりますし、費用もかさみます。また人によっては、紙媒体がよいとも限りません。それならDMと比べて様々なメリットがあるメルマガを実施してみようと考えました。具体的なメリットは以下の通りです。
・受け取った方の予定が立てやすい
今DMは半年に一度郵送しています。イベント情報も載せていますが、これだと2月に8月のイベント情報をお送りすることもあるわけです。もっとタイムリーに出した方が、受け取った方も予定がたてやすいですよね。
メルマガなら、1か月先、2か月先などのイベント情報もちょうどよいタイミングでお知らせできますし、季節の移り変わりなど、神社を訪れたくなるような、タイムリーかつ魅力ある情報も柔軟に盛り込むことができます。
・直接届く
DMは本人が受け取るとは限りません。以前DMを手に取ったご家族の方が不審がって、社務所に問い合わせをする…といったこともありました。メルマガなら、通知は希望者のメールアドレスに直接届きますので、このようなことはおきません。
・労力もコストも減らせる
先ほど少し申し上げた通り、DMを送るための準備は非常に手間と時間がかかります。少しでもメルマガに移行すれば、多少なりとも我々の労力も削減できます。また当然ながら郵送コストも下げることができます。
取引しているホームページ制作会社に紹介してもらったり、インターネットで検索したりして3~4社の製品を比べました。値段の相場や機能を確認し、当社が希望している規模で使えるか、予算内で運用できるか、などの要素を見て総合的に判断しました。
ただ最終的には、他社よりも「サポート力と提案力が優れていた」ことがWEBCASを選んだ決め手になりました。
私たちがシステム会社に求めていたのは、「担当が変わったときにしっかりサポートできるか」という点と、「有用なシステムの使い方を提案できるか」という点です。具体的にお話します。
1. 担当が変わったときにしっかりサポートできるか
高麗神社では、現在WEBCASの運用を神主の川尻が担当しています。彼は非常にITに明るいのですが、将来実家の神社を継ぐ身なので、ゆくゆくはWEBCASの運用は別の職員が引き継ぐことになります。引き継ぎ後も操作などで困らないよう、丁寧なフォロー体制がある会社にお願いしたいと思っていました。その点エイジア(現WOW WORLD)さんは問い合わせ後のフォローも迅速で、初期設定や操作方法についても直接丁寧に教えていただけました。後で困ったときも電話ですぐ回答いただき、信頼できました。
2. 有用なシステムの使い方を提案できるか
我々はツールを扱うプロではないので、すぐ効果的な利用方法を思いつくとは限りません。システム会社には「より効果的なツールの活用法」も提案してほしいと思っていました。当初我々はメルマガをはじめることしか考えていませんでしたが、エイジア(現WOW WORLD)の担当者さんにアンケート機能の具体的な活用法も紹介してもらい、「ぜひ使いたい」と思いました。他社システムは「アンケートシステムは別売り」というケースが多かったですが、WEBCAS CRMは定額でメルマガとアンケートを連携して使えるという点も魅力的でした。
世の中にはセルフサービスのツールもたくさんあると思いますが、我々は人が丁寧にケアしてくれるサービスを求めていたので、WEBCASを選んだということでしょうか。
WEBCASを初めて触ったときもスムーズに運用できましたし、この先引き継ぎで苦労することもないと思います。2015年の10月に問い合わせをしましたが、12月には本格的に運用できていましたし、そのためのフォローもしっかりしていただけたと思います。
「丁寧にフォローしていただいたので、運用に困ることはありませんでした」(川尻様)
募集方法は大きく分けて2種類です。今どちらも順調に増えています。
一つはDMからの移行です。
先ほどお話したDM郵送先には、これまで年に一度「今後もDMを送ってよいですか」と確認用DMを送っていましたが、その中で「メルマガ会員になりませんか」と移行を促しました。
もう一つは、チラシの配布や掲示です。
今も、社務所前の掲示板で知らせたり、神社の境内に看板を立てたり、お正月期間に広報のテントを設置してチラシを置いたりして、メルマガ会員募集の告知をしています。
中でも効果的なのは、もっとも多くの方が集まる時期、境内に看板をたてることです。初詣のときには登録件数が一気に4倍になりました。
メールマガジンの会員登録を促すチラシ。
携帯端末からQRコードを読み取って会員登録を行う
もちろん、全く満足していませんよ! 通常、神社が数値目標を立てることはありませんが、このメルマガ会員数に関しては特別に年間目標を立てています。私は高麗郡建郡1300年記念事業などの関係もあり様々なイベントで登壇していますが、毎回最後に必ずメルマガ会員登録を促しています。これからもイベントが沢山ありますので、チャンスを生かして目標を達成していきたいです。
ご提案いただいたWebアンケートはぜひチャレンジしたいです。
神社には多くの方が訪れますが、私たちは参拝者と直接、会話をする機会はほぼありません。御祈願やお祓いの際、我々は神様の方を向いて、参拝者には背を向けます。よほどの方でもない限り、我々に直接声をかけられる方はいらっしゃらない。
その点、気軽に回答できるWebアンケートは、直接聞くより本音を引き出せる可能性があります。メルマガ配信を希望された方にアンケート協力を依頼すれば、積極的に正直なご意見をいただけるかもしれません。
アンケートで収集したご意見は、神社の運営や運用、方針策定などの材料にできますし、神主や職員が参拝者、崇敬者に対応する参考にしていきたいと考えています。
私がこれまで何かしら改善に取り組んできたことは、私が一人で思いついたものは一つもなく、全て周囲からヒントをいただいて実現したものです。アンケートは、このような改善のヒントを効率的に集めることができるツールだと思います。
若い神主さんやお坊さんは、私と同じように「理解してほしい。意見も聞きたい」という思いを抱えていると思います。時代の流れもありますし、今後神社やお寺の世界でも、もっとメルマガやアンケートのようなデジタルツールが広まるでしょう。しかしどんなツールを使っても、結局は使う人間の価値観が反映されるものです。
我々は、本質的な「対話」の実現を目指して、WEBCASを活用していきたいと思います。
顧客管理システム
WEBCAS CRM
会員を集めて管理し、メルマガやアンケートでコミュニケーションができるお手軽CRM