導入事例
株式会社ベイクルーズ様
「お客様の段階別シナリオメールを50パターン配信して、大きな成果を上げています。これから取り組むオムニチャネル対応メールマーケティングもWEBCASで実現していきます。」
2015年05月12日掲載
アパレルブランドを複数展開するベイクルーズ様のEC売上高は、2014年8月期時点で前期比46%アップ の121億円と拡大を続けています。同社EC統括
Platform Div. 加藤 利典様に、メールをどのように活用してEC売上向上を実現しているか、詳しい話を聞きました。
(※ベイクルーズ様の公式通販サイト「StyleCruise」は、現在「BAYCREW'S STORE」という名称に変更されています。インタビュー当時は旧サイト名だったため、事例本文は旧サイト名で表記しています)
ベイクルーズは、「JOURNAL STANDARD」「Spick & Span」「IENA」などファッションブランドを中心に、服飾、雑貨、家具の企画・製造・販売・卸売を通してライフスタイルをトータルで提案している会社です。オンラインショップでは自社EC「StyleCruise」を運営しているほか、「ZOZOTOWN」など7つのモールに出店しています。「StyleCruise」の会員は現在約44~45万人、全国に広がる272もの店舗の会員は約70万人にのぼります。
ベイクルーズのブランド商品が購入できる自社EC「StyleCruise」
当社ではWEBCAS e-mailを、自社EC「StyleCruise」会員向けメルマガと、店舗会員向けのブランド別メルマガを配信するツールとして利用しています。
現在WEBCAS e-mailは、DMP(データマネジメントプラットフォーム)やデータベース、ECの仕組みなどと連携させており、多くのメールを完全自動で配信しています。
そうですね。特にEC売上の中でも、自社EC「StyleCruise」は前期比77%アップ、売上42億と非常に伸びています。自社ECとモール(「ZOZOTOWN」以外)の在庫共有化など、様々な施策を実施しましたが、当社がEC運営、マーケティング施策の立案・実行、システム構築などをほぼ全て内製化し、スピード感を持ってサービスとシステムの改善に取り組んできた成果だと考えます。今期「StyleCruise」の売上目標は60億ですが、すでに上期の目標は達成しており、通期も達成したいですね。
メールマーケティングは、ECサイトのコンバージョン(売上)やPVの向上に大きく貢献しています。特に2年前、DMPを導入してからスタートしたシナリオメールは、かなり成果を上げています。
シナリオメールについて簡単に説明します。これは、お客様を、「①優良顧客 ②通常顧客 ③新規顧客 ④見込み客 ⑤休眠顧客」と大きく5つの分類に分け、それぞれのお客様に合ったシナリオを約50パターン作成して、完全自動でメール配信している施策です。
「インセンティブとしてクーポンをメール送付して、クーポン利用期限内の購入を促す」という使い方が多く、お客様毎に異なるレコメンド商品情報と合わせて、購入後5日後、60日後、90日後…等配信タイミングを細かく設定してメールを送っています。
「DMPと連携したシナリオメールは顧客のアクティブ化に大きく貢献しています」(加藤様)
当社でいう見込み客とは、「会員登録しているけれど商品未購入の方」を言います。このお客様はおそらく、読み物としてメルマガを読まれる方と、商品購入を躊躇されている方に分けられると考えられるので、当社人気商品ランキングや、お客様の閲覧履歴を参照したレコメンドコンテンツを盛り込んだメールを自動配信しています。
また見込み客の中には「メルマガ会員になったが会員登録していない方」も含まれるので、その方には、会員登録を促すメールも配信しています。
当社は“一年間商品を購入していない会員”を非アクティブ会員と位置付け、このお客様を掘り起こすためによくシナリオメールを活用しています。この施策を開始してアクティブ会員が非常に増えています。
当社は、いわゆる“データドリブン・マーケティング”を実践し、高速にPDCAを回すことを目標にDMPを導入しました。「誰にいつ届けるか」を考えて実行するとしっかり効果が出るので、これからもさらに上を目指し、成果の上がるシナリオメールの構築を進めていきます。
「StyleCruise」の新着商品を毎日タイムリーにお知らせしている新着メールの反響は非常に大きいです。
新着メールは、「StyleCruise」に日々公開される旬なトピックスや新着アイテム、再入荷商品、お客様一人ひとりに最適化したレコメンド商品を盛り込んだメールです。希望者にお送りしていることもあり、多くの受信者には「毎日新着メールが来たら新着アイテムをチェックして購入する」というフローができあがっています。メールを配信したら人気ブランドの商品はすぐ売り切れますし、セールなどイベント告知がある場合のメールからのトラフィックはすさまじく、サーバが落ちかねないほどです。そのためインフラの強化を進めていますし、メール配信する時間には非常に気を遣っています。
その他にも、商品をお気に入りに追加した方に「お気に入り商品を値下げしました」とお知らせするメールの配信も3か月前に始めており、非常に高いコンバージョン率を達成しています。現在は自社開発した仕組みから配信していますが、今後この「お気に入り商品値下げメール」を含めた全メールを、WEBCAS e-mailで配信していこうと考えています。
いずれにしても、新規ユーザーに対しても、アクティブなユーザーに対しても、メールの効果は非常に高いです。
新着メールは男女別にモバイル/PC向け4パターンを配信。ECサイトPVの7割がスマホユーザのため、スマホを強く意識して制作しているという
ベイクルーズは、2010年からWEBCAS e-mailを使い続けています。導入前は、EC顧客基盤のパッケージシステムに付いていたメール配信機能を使っていましたが、このシステムはテキストメールしか配信できない上、10万通の配信で5~6時間かかるほど配信速度も遅かったため、新たにメール配信システムを導入することにしました。複数システムを比較検討したところ、WEBCAS e-mailが以下2点で他社システムよりも優れていることを確認し、導入することにしました。
1.自社データベースと直接リアルタイムに連携できること
当社は導入当初から「お客様のアクションに応じて、リアルタイムに限りなく近いタイミングでメールを送りたい」と考えていました。当時からWEBCAS e-mailは、我々が使っているデータベース(ORACLE)に直接つながって、リアルタイムに情報を参照してメールを配信することができました。トランザクションメールのマーケティング活用も考えていたこともあり、WEBCASの直接連携の機能は非常に魅力的でした。
一方他社メール配信システムは、データベースとの連携方式がいわゆる“ファイル連携”でした。ファイル連携とは「既存のデータベースから顧客データを1日1回~数回メール配信システム側が受け取る」というもので、直接連携方式に比べて、リアルタイム性に欠けました。
2.コストパフォーマンスが高いこと
今や、EC・店舗合わせて最大約110万人の会員に対して毎日メールを配信している我々にとって、配信通数に応じて課金される「通数課金」だと、コスト負担が非常に重くなります。一方WEBCAS e-mailには、ユーザーのメールアドレス数(レコード数)に応じて課金される「レコード課金」という料金体系がありました。これなら、月に何回送っても料金は定額でコストパフォーマンスが高く、我々の運用に向いていました。
WEBCAS e-mailを導入してよかったことは、大きく分けて3つです。
1、幅広いメールマーケティングアイデアを実現できるところです。
WEBCASがデータベースにリアルタイムに連携できることから、我々のメール施策のアイデアはほぼ実現できると考えています。
これからWEBCASを活用して取り組んでいきたいメインの施策は、オムニチャネル対応のメールマーケティングです。
すでにベイクルーズは、ECと店舗のポイント共通化を完了しており、現在EC会員/店舗会員と分断しているメール会員を1年かけて統合する予定です。それに合わせて、WEBCAS e-mailとNCR(POSシステム)のデータベースを連携させて、チャネルをまたいだ行動履歴をもとにメール訴求を実施していきます。
それ以外に実施したい施策が、商品購買の後押しとなる“商品レビューのメール活用”です。店舗で商品を購入された方にメールでレビュー協力をお願いし、レビューをECサイトやメールに盛り込んで購買を促進します。70万人ものリアル店舗会員を対象にすれば、レビューも多く集まるのではないかと期待しています。
他にも、スタッフのスナップ写真をメールに自動で取り込んで、コーディネートで商品を訴求する…など、WEBCASで実現したいメールマーケティングのアイデアは数多くあります。
2、配信速度が上がったことです。
導入前、テキストメールの配信で5~6時間かかっていた10万通のメール配信は、今ではDMPと連携させてレコメンドコンテンツを盛り込んだHTMLメールを送っても、1時間以内で確実に配信が完了しています。
3、ベイクルーズ独自の環境に対応してくれるフォロー体制です。
現在、WEBCASと連携しているデータベースやネットワークなどインフラの稼働状況に関して困ったときには、実践経験と専門知識を豊富に持つエイジア(現WOW WORLD)の担当エンジニアに、柔軟にフォローいただいています。この手厚いフォロー体制には今後も期待しています。
大規模な会員を抱える大手企業にお薦めしたいですね。たとえば、数百万レコードの顧客に対して、購買履歴や行動履歴などのデータをうまく活用してメールマーケティングを行い、ビジネスを拡大させたい…そんな企業に向いていると思います。我々にとっても、WEBCASにビッグユーザーがさらに増えれば、配信システム基盤がより盤石になると思いますので、喜ばしいことです。
今後ベイクルーズはオムニチャネル化を加速させます。先ほど少しお話しましたが、当社はECとモールの在庫共有化により機会損失を削減することができました。これにより、「メールを送っても商品が売り切れている」といった問題も多少なりとも改善したと思います。これから店舗とECの在庫共有化を推進すれば、さらに機会損失を減少させることができるでしょう。今構想段階にある様々な施策を進めていけば、業務効率を上げながら、メールによる成果をさらに高められると思います。
我々がメール配信業者に望むことは、「メール配信を支える基盤を、安定的かつ継続的にご提供いただくこと」に尽きます。エイジア(現WOW WORLD)さんには今後も、我々のメールマーケティングを、堅牢なシステム、きめ細かいフォロー体制とプロフェッショナルサービスでしっかりと支えていただくことで、我々のビジネスに大いに貢献いただきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。
メール配信システム
WEBCAS e-mail
毎時1,000万通以上の高速配信ができる、パッケージ市場シェアNo.1のメール配信システム